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今年も今日を残すのみとなりました。
時代の流れは本当年々スピードを増しているように思います。
悠々とした時間を過ごすことがとても贅沢で、得難いものであると感じるようになりました。
本日は、ゆったりと時間が流れていた頃に思いをはせるべく、こちらの車両のBトレインショーティーをご紹介いたします。
国鉄 キハ58形気動車 800番台 修学旅行色 です。キハ58系は国鉄型気動車の雄ともいえる形式です。
準急型として登場したキハ55形を強力にした車両で、全国の非電化区間に急行列車網を築いた名車です。それまでのSLによる客車列車と比較して、時間短縮と無煙化による客室環境の改善を飛躍的に推し進めました。本日ご紹介するのは、その中でも800番台の車両です。修学旅行専用車として1962年~1963年に製造されたものになります。修学旅行専用車、って今では考えられないですが、団体輸送専用車の中でもとりわけ修学旅行に粒立ててスポットを当てるというのは非常に興味深いです。用途を限定すると稼働率が下がるため、現代では忌避される発想なのですが、この当時としては時代の要請があったのでしょう。私鉄の近鉄にも「あおぞら」と呼ばれる修学旅行輸送に特化した車両があったほどですので、こういった車両に投資するに見合うだけの魅力的なものだったと推察されます。このキハ58系800番台も、「専用」を謳うだけあって、それにふさわしい設備を備えていました。同時期に登場した修学旅行専用急行型電車155系と装備が似ているそうで、デッキの補助いすや、客室内の速度計、着脱可能なテーブル等の装備が設けられていたそうです。
また、外観も155系に倣って、黄色っぽい塗色に朱色の窓まわりの塗装となりました。
Bトレでは単独で見るとあんまりわかりにくいですが、標準の急行色と並べると分かりやすいかと思います。修学旅行時期以外は団体列車としてもちいられたそうです。しかし、時代が変わり、東海道山陽新幹線の開通や、全国的な特急網の整備が進むと、その役目を終えてゆきます。多くの車両は塗装を急行職に戻して、一般車両としての運用に就くようになりました。
800番台は車齢も高かったせいか、JR化を見ることなく、廃車となったようです。
多くの児童たちの夢を載せて全国を駆けたキハ58形800番台のご紹介を以て、本年の締めとさせて頂きます。
皆様、よいお年をお迎えください。
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