いつも当ブログを御贔屓いただきまして、誠にありがとうございます。
現在、鉄道コムのサイトで、鉄道旅行誌「旅と鉄道」共同企画「私の好きな『路面電車』投票ランキング」が行われています。
https://www.tetsudo.com/special/tabitetsu/
投票は6/20(土)まで。最終結果は、7月21日発売の「旅と鉄道」9月号で発表との事です。
路面電車にはフル規格の鉄道とは違う魅力があります。
柵で囲われた専用軌道ではなく、車道との併用軌道を走るだけで、一気に日常生活に溶け込むような感覚が致します。
別に路面電車沿線で育ったわけでもないのに、見ると懐かしさを覚えたり、何故か日本人の心の原風景に訴えかけてくるようなものを感じます。
ご興味があればぜひ投票なさってはいかがでしょうか。
個人的には関西の嵐電や阪堺、京阪京津線等を応援したいですが、古参車両から最新車両まで、さらには海外を含む元各地の市電車両が集まる博物館的な意味合いで行けば、本日ご紹介するこちらの会社は凄みを感じます。
そんな会社からこちらのBトレインショーティーをご紹介させて頂きます。
広島電鉄 900形 冷房車 です。
広島市は大都市の中では珍しく、地下鉄によらず路面電車で市内交通を支えています。
広島市の地盤が弱く地下鉄を通せないといううわさもありましたが、軟弱地盤を通る地下鉄もあるためどうも違うようです。
路面電車とはいえ市内交通の大動脈ですので、現在では連接構造の長編成を組むものもあり、くねくねと急カーブを曲がる長編成の姿は結構壮観です。
また、広島電鉄は「路面電車歴史動態博物館」ともいえるほど、各地で活躍した車両が移籍してきております。
被ばく電車と呼ばれる戦時中から活躍する650形や、元京都市電、元西鉄、果てはドイツのハノーバー市電まで、まさに多士済々と呼べる陣容です。
今回Bトレでご紹介する900形は、元大阪市電2601形で、大阪市内においてモータリゼーションによる渋滞の常態化が原因で、市電の地下鉄化・バス化が進行、その際に余剰となった車両を1969年に譲り受けたそうです。
1956年製との事で、戦時中からとまでは言いませんが、総じて路面電車は息が長い車両が多いです。
譲渡先は広島電鉄以外にも、鹿児島市交通局にも譲渡されましたが、鹿児島へ移籍した兄弟は既に現役を退いているそうです。
広島電鉄900形となったこの車両の塗装は大阪市電として走っていた頃の塗装をそのまま踏襲しているそうです。大阪市電に思い出のある方がご覧になれば、きっといろんなことを思い出されるのではないでしょうか。
14両が譲渡され、長らく広島の地を駆けていましたが、現在では現役車は2両が残るのみとなりました。
製造から60年以上を経過、足回りは新造ではなく戦火を生き残った木造車のものを流用したそうなので、80年以上使用されていることになります。
大阪で過ごした時間よりも、はるかに長く広島で過ごしてきた900形。
大阪市電の面影を重ねつつも、もう広島の車両と誇るに十分な活躍をしてきたことと思います。
これからも大阪の魂を持ちつつ、元気な姿で広島市民の足として活躍してほしい車両です。↑↑ご紹介済み車両をまとめた索引ページを設けました↑↑