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北陸・東北でまた大きな地震が起きました。被害にあわれた方には心よりお見舞いを申し上げます。
関西では梅雨入りが遅れておりますが、雨の多い季節になりました。
雨が降るたびに憂鬱な気分になったりしますが、そんな時はこの詩を思い出すようにしています。
雨のおとがきこえる
雨がふっていたのだ
あのおとのようにそっと
世のためにはたらいていよう
雨があがるように
しずかに死んでいこう
八木重吉の「雨」という詩です。
八木重吉では「素朴な琴」の方が有名かもしれませんが、私はこの詩がとても好きです。
華美な修飾もなく平易な言葉で綴られる何と優しい物の見方。
雨に対する印象を一変させるに十分な力がありました。
ご訪問下さった皆様にも一度触れて頂きたいと思い、ご紹介させていただきました。
本日はもう一つ、世のために昼も夜もそっと働いてくれたこちらの車両のBトレインショーティーもご紹介させていただきます。
旧国鉄、現在のJRには3つの電源方式が存在します。
直流1500V、交流20000V(50Hz/60Hz)の3種が存在し、それぞれに対応する機器が違うため、原則として電車や機関車を分ける/変える必要がありました。
基本的に運用される列車も区間割がなされていましたが、長距離を運転する寝台列車や貨物列車などは機関車を付け替える必要がありました。
特に、大阪から青森までの日本海側を走る東海道線-北陸本線―信越本線-羽越本線-奥羽本線などを総称して呼ばれる「日本海縦貫線」では、この3つの電源が存在するため、機関車の付け替え手間がかかっており、速達性とコスト両面の弊害となっていました。
この3つの電源を、機関車を付け替えることなく走破できる性能を持たせたのが、このEF81です。
直流電気機関車は青色、交流電気機関車は赤色が標準色でしたが、交直流車は両色をまぜて紫色かと思いきや、ED46(試作機。のちのED92)以来、EF80、EF81とこのローズピンクが交直流機関車のスタンダード色として定着しておりました。
日本海縦貫線をはじめ、関東、九州でも活躍し、電源を選ばない性能から全国各地で、旅客に、貨物に、その姿を見ることができました。
また、東では北斗星、カシオペア、西ではトワイライトエクスプレスと豪華寝台列車の牽引機としても用いられ、機関車の花形とも呼べる活躍をしておりました。
しかし、最初の登場が1968年で、現在では経年からくる老朽化でずいぶんと数を減らしました。
日本海縦貫線の貨物運用も定期運用はなくなってしまい、EF510にその任を譲り渡したため、今ではその姿をなかなか見ることはできなくました。
時代と共に日本中を駆け抜けた名機EF81。
「雨」のようにそっと世のために働き続けたそのローズピンクの姿を、今一度優しい気持ちで眺めてみたいと思います。
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