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いきなり暑くなってきました。
マスクしているのもたまらないですが、辛抱の時だと思っております。
今週、ちょっとしたニュースが話題になりました。
兵庫県の北条鉄道が、五能線のキハ40を250万円で購入するそうです。
ちょっとした普通自動車並みの価格…。
しかしながら整備費に1300万円かかるそうで、そんなに甘くはないですね。
ネットでは五能線色を維持してほしい声がありますが、個人的にはかかわりの深かった加古川色を再現してくれたら、という淡い期待を抱いております。
本日のご紹介は、こちらも晩年に私鉄に移籍して活躍した車両のBトレインショーティーでございます。
国鉄が初めて並行カルダン駆動を用いて製造した「新性能電車」のはしりです。
それまでの国鉄は、加速性能の悪い旧式の吊り掛け駆動の電車が占めていました。
当時の大都市圏、特に首都圏の輸送事情はひっ迫していましたが、吊り掛け駆動車の能力では現状の線路容量においてこれ以上の増発が望めない状況となっていました。
電車の運転間隔を縮めることで、何とか輸送力を増大したい国鉄は、高い加速性能を持つ車両の開発を行います。
そうして誕生したのがこの101系です。
加速性能を追求するため、全電動車編成で登場しました。
しかし、使用電力量が多すぎて、電源設備が追従せず、性能を抑えて運用せざるを得なくなりました。
この失敗は、後年EF200形電気機関車でも同じことを繰り返してしまうことになりますが、とりあえず話を先に進めます。
そういう事情で、やむなく中間付随車を挟んで運行をしますが、今度は、もともと全電動車という前提で設計されていた電動機は、付随車を挟むことで加速時に負荷がかかり、許容値を越えた過熱をしてしまうというジレンマに陥ります。
こういった現象は加速と減速を頻繁に繰り返す駅間距離の短い路線で顕著となりました。
そういった問題を解決すべく改良版の103系が登場し、101系は各地の吊り掛け駆動の旧型国電を置き換えるべく転線してゆきました。
このカナリアイエローの車体は、当初山手線に投入されました。
山手線=うぐいす色という固定観念がありましたので非常に意外でした。
しかし上述の事情で電動機の過熱の問題で早々に駅間距離の短い山手線から撤収、赤羽線・南武線などへ転線していったそうです。
関西人の私にとっては個人的には黄色い車両は総武線のイメージです。
あとは都会の中のローカル線、鶴見線にこの黄色い101系がいた印象が強いです。
鶴見線はいろんな支線があり、首都圏で最後まで旧型国電が活躍していた稀有な路線で、関係者しか降りられない「海芝浦駅」等乗り鉄でも魅力的な路線ですが、ここからもとっくの昔に101系は退散しています。
黄色いだし巻き玉子に目と鼻と口をつけただけの様なこのシンプルすぎるデザインが、かえって潔く味わい深く感じます。
私はこの101系/103系の姿を「質実剛健スタイル」と呼称しています。
関西には101系は大阪環状線、片町線(現:学研都市線)にオレンジ色、関西線(現:大和路線)にうぐいす色+前面黄色帯の車両が配置されましたが、カナリアイエローは馴染みがなく、この色が福知山線のラインカラーとなった時にも103系が配置されたようです。
例外的に、関西線の王寺駅が水害で水没した際に、電留線に泊まっていた101系も一緒に水没し廃車。車両不足を補うために関東で廃車寸前となっていた101系が急遽関西線へ送られた際に、色を塗り替える暇がなかったため、関東時代のままの色で投入されたため、カナリアイエローの101系が関西を走ることになりました。
(※いきさつの詳細はこちらの記事をご覧ただければ幸いです。)
いろんな運命に翻弄され、期待された能力を発揮しきれなかった101系。
その登場時のカナリアイエローの姿をBトレで追いながら、「俺まだ本気出してない」という101系の無念を昇華させてあげたいと思います。
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