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この9月2日で、阪急の今津線が開業100周年を迎えたそうです。
今津線といえば有名だったのが西宮北口駅のダイヤモンドクロス。
私鉄とはいえ、主要幹線である神戸線との平面交差は壮観でした。
現在は分断されてしまいましたが、主要幹線ではないながらも関西学院、神戸女学院等の通学の足として、また阪神競馬場行きの夢街道、そして帰りのオケラ街道を支える重要な路線として存在感を放っています。
本日のご紹介は、その阪急電車としのぎを削る路線の電化延伸開業を支えたこちらの車両のBトレインショーティーでございます。
国鉄 113系800番台 旧福知山色 です。福知山線は兵庫県の尼崎駅から京都府の福知山駅を結ぶ路線です。もともとは全線非電化区間で、客車列車が行き交うのどかな路線だったそうです。1981年に宝塚-尼崎間が電化されるものの、並行する阪急宝塚線の利便性がよく、苦戦していました。宝塚以北は武庫川渓谷に沿って単線の路線が敷設されており、とても高速化できるような状態ではありませんでした。この旧線の一部は現在武田尾駅周辺に遊歩道として整備されています。時代はバブル景気前夜。関西圏のベッドタウンとして北摂三田エリアにニュータウンが作られ始めていました。この輸送を引き受けるためか、福知山線は線形改良と電化事業に乗り出し、1986年には新三田駅までの複線化と福知山駅までの電化を成し遂げます。電化による輸送改善のおかげもあってか、三田市(東京の方は「みた」と読みたいところでしょうが兵庫は「さんだ」と読みます。)は1987年から10年間、人口増加率日本一となりました。この電化開業に伴って投入されたのが113系800番台です。113系は言わずと知れた国鉄近郊型車両の雄で、国鉄の直流・平坦区間を席巻した車両です。この時代は国鉄末期であったため、新車導入とはいかず、117系や205系等が投入された線区から、玉突きで余剰となった113系をかき集め、福知山線用にドアの半自動化や寒冷対策を施した車両がこの800番台となるようです。
電化開業に際して新車導入できなかった罪滅ぼしか、専用の塗装を纏っての登場となりました。それがこの旧福知山色です。個人的にはあまりなじみのない色合いです。宝塚までの電化開業時に、カナリアイエローの103系を投入したことに合わせたのでしょうか。程なくして国鉄は民営化し、JRへと改称したころに、この福知山色も新福知山色に改まってしまいました。この塗色が見られたのは、わずかに4年ほどだったそうです。ニュータウン輸送を支えた113系800番台の旧福知山色。
川沿いを行くのどかな客車列車と、通勤輸送の端境期を生きたその姿を、Bトレでもとどめておきたいと思います。
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