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先日ご紹介した「パリピ孔明」。各所でも話題になっているようです。
このアニメではディズニー映画の様に「演技」と「歌唱」でキャストを分けています。
主人公のライバルとなるであろう「久遠七海」の歌唱を担当しているのが「Lezel」さんという方。
この方の声が耳に残るというか、従来のカテゴリーに当てはまらないというか、とにかく個性的で非常に好みです。
ファルセット(裏声)も特徴的ですし、民謡的なこぶしが回ることもあれば、宇多田ヒカルさんのような細かいビブラートがかかったり。こんな逸材が居たんですね。
この「Lezel」さんの歌う往年の小室哲哉サウンドの音源がavexのYouTubeで聞くことができます。リンクを貼っておきますのでよろしければどうぞ。
と、私の感動を押し売るのはこのくらいにして、本日はこちらの車両のBトレインショーティーをご紹介いたします。国鉄 クモユニ143形 身延線色 です。
いわゆる事業用車両というやつで、一般客が乗ることのできない車両です。
1981年に、身延線の新性能化と同時に製造、投入されました。
身延線は静岡県の富士駅と山梨県の甲府駅を結ぶ路線です。
富士山の西側を流れる富士川に沿って線路が引かれています。
国鉄時代は、吊り掛け駆動の旧型車が遅くまで運用されていた路線の一つでした。
横須賀色の42系や51系が運用され、まさに旧車天国、といった様相を呈していた路線でした。dododotoh.hatenablog.com
そんな身延線にもカルダン駆動を持った新性能電車が投入されることになりました。
1981年に115系2000番台が新製投入されることとなり、一気に旧型国電を淘汰してゆきました。
身延線においては周辺の道路事情が良くなかったこともあってか、当時鉄道による荷物・郵便輸送がまだ残っていました。旧型国電時代にはクモハユニ44形という形式の車両を用いていたのですが、115系導入時にこの荷物・郵便輸送車も置き換えることになり、登場したのがこのクモユニ143形です。
クモユニ、という聞きなれない車両名称の“ユ”が郵便、“ニ”が荷物輸送車であることを表しています。
当時身延線に投入された115系がオリジナルの「身延色」と呼ばれる、赤地に白帯の塗装を纏っていたため、このクモユニ143形にもそれに準じた塗装が施されました。
115系の旅客列車に連結して運用されていたようです。
ちなみに身延色のクモユニ143形はBトレとして製品化されたのに、肝心の115系の身延色は製品化されませんでした。
ここではよく似た色合いの“旧北陸色”457系を相棒として登場させています。
しかし身延線の荷物・郵便輸送は登場からわずか4年後の1985年に廃止となります。
クモユニ143形は長岡運転所に転属になり、同地の旧型荷物車を置き換えますが、まだ受難は続きます。
今度は翌85年には国鉄による郵便・荷物輸送は原則廃止の決定が採られました。
登場からわずか4年でこの仕打ち、計画性の無さ、と言われても仕方のない事態かも知れません。
但し、内房線・外房線の新聞輸送だけが、道路事情を勘案して存続されることとなり、クモユニ143形は幕張へ2度目の転勤を行います。dododotoh.hatenablog.com
4両製造されたクモユニ143形の内、1両だけはまだ身延色のままだったそうです。
この地で1996年まで活躍をしたのち、この新聞輸送も終了となり、その後は長野・大井・小山の各地へ事業用車として散ってゆきました。
2019年に長野に移ったクモユニ143-1が廃車され、国鉄型荷物・郵便車両の最後の一両となりました。
クモユニ143形の登場時の塗色を偲びながら、社会情勢などの荒波にもまれ、数奇な運命をたどった転勤族の悲哀を噛み締めたいと思います。
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