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中島みゆきさんの「時代」という歌が好きです。
「まわるまわるよ 時代はまわる」
今こそすべてと思いがちになって、落ち込んだりへこんだりすることの多い私にとって励みになる歌です。
一度時代の要請から外れて「時代遅れ」の烙印が押されたものが再び脚光を浴びるなんてことはよくあることなのです。
例えば鉄道貨物も一時はトラック輸送に押されて存亡が危うくなったことがありましたが、昨今のCO2排出削減やドライバー不足などの問題で再び脚光を浴びています。
路面電車もその一つで、モータリゼーションの波にのまれて、大都市圏を中心に次々と姿を消しましたが、近年は「LRT(ライトレールトランジット)」と称され、宇都宮に新線ができるなど再び脚光を浴びています。
本日はそんな毀誉褒貶にのまれて数奇な運命をたどったこちらの車両のBトレインショーティーをご紹介いたします。広島電鉄 1100形 冷房車 です。元々は神戸市交通局の車両です。大阪、京都、神戸には、昔は市営の路面電車が走っていました。今の街並みを眺めていると、信じられないですね。
この1100形は1953年に登場しました。当時は神戸市交通局が長田に独自の工場を持っていたそうです。1100形3両がその長田工場製の最後の車両となったそうです。
続く1150形という車輛が登場したそうですが、それまでの吊り掛け駆動からカルダン駆動を採用するなど、新しい技術を取り入れたことで、運転士や保守の現場に混乱を招いたそうです。で、結局1100形に先祖返りして増備する、という珍しい経緯をたどったそうです。この最後の1100形は長田工場ではなく、川崎車輛で製造されました。この1960年に増備された2両が、神戸市交通局の路面電車として、最後の新造車になりました。その後神戸市電は1971年に全廃されます。この比較的新しい1100形は、広島電鉄が5両とも購入することになりました。広島電鉄において、以後長寿を保つことになります。広島電鉄では、神戸以外にも、大阪市電や西鉄、果ては海外の路面電車まで導入し、まさに多士済々といった陣容でした。
また、塗装もオリジナルのまま使用されることが多く、このBトレの塗装も、神戸市電時代のままなのだそうです。しかしながら、接客設備については改良が施され、ICカード対応や冷房化などの改造がなされています。しかし、21世紀を控えた時期になると、乗降口の狭さや出力不足等、さすがに時代の要請にこたえられなくなってきました。2000年に3両、2001年に1両が廃車となり、控え車として残った1103号機も2003年に姿を消しました。
最後まで広島に残った1103号機は市電の和田車庫跡に作られた御崎公園に里帰りし、展示されています。
半世紀にわたって神戸・広島で活躍した1100形。一度御崎公園を訪ねて見に行ってみたくなりました。
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